コロナとの戦いが始まって1年半近くが経ちました。緊急事態宣言や蔓延防止法によりステイホームが叫ばれ、なかなか外に出る機会や身体を動かす機会が少なくなっているのではないでしょうか?ワクチン接種が進み、以前のような日常が戻るまでは、もう少し時間がかかりそうです。そのため、テレビや新聞、雑誌等で『免疫』と言う言葉を、耳や目にすることも多かったのではないでしょうか
そこで今日は、ビタミンDについてお話しします。
ビタミンDは油に溶けやすい「脂溶性ビタミン」の一つです。
ビタミンDは食品から摂取するほか、動物の皮膚では紫外線を浴びることでビタミンDが合成されます。
その働きは、カルシウムのバランスを整えるのを手伝ったり、骨の健康を保つのに働いています。また最近では、ビタミンDが抗菌ペプチドの分泌を調整することもわかり、結核やインフルエンザなどの感染症の予防・重篤化回避の点で注目を集めています。また、ビタミンDは免疫の暴走を調整する作用が解明され、喘息や花粉症などのアレルギー性疾患との関連性、不妊症の一種、不育症との関連性も研究されています。
骨の維持だけでなく筋力維持、認知症リスクの経減、歯周病の軽減なと、さまざまな分野での役割が臨床試験で解明されようとしているます。
先に述べたように、ビタミンDは主に紫外線によって皮膚でつくられるため、本来は日光浴で充足されるはずの栄養素です。食事からはあまり摂ることができない栄養素のため、現代人は大多数が充足されておらず、サプリメントからの確実な摂取が世界のトレンドとなっています。
そんな中、特に紫外線ガードの意識が高い日本人は、ビタミンDが不足または欠乏している人の割合が女性で8割以上、男性で6割以上というデータがあります。
さらには、新型コロナ感染症の影響で外出自粛が長引いていること、今年は梅雨入りも早く雨が続くことにより、紫外線不足でビタミンD欠乏に陥っている人は、予想をはるかに上回る数だと言われています。
実際の日光浴時間については、顔面と両手の甲を露出させて日光照射時間を求めたものによると、地域や季節にもよりますが、夏なら木陰で30分程度、冬なら1時間程度を目安にすると良いと言われています。さらに腕や膝から下を露出すると皮膚の表面積は2倍になり、半分の時間でビタミンDがつくられることになります。したがって、できるだけ肌を露出させた方が短時間でよいことになりますが、紫外線の悪影響を考えると女性にはなかなか難しいかもしれませんね。
それなら、食事からビタミンDを摂取しましょう。ビタミンDを多く含む食品としてサケがあります。1切れで、1日に必要な量がまかなえます。ほかにもサンマやアジ、サバなどの青魚にも、豊富に含まれています。また、マイタケやほしシイタケ、エリンギなどのキノコ類にもビタミンDがたっぷり含まれています。また、脂溶性ビタミンであるビタミンDは、脂質と一緒に摂取すると吸収が良くなります。
ビタミンDは野菜や穀物などにはほとんど含まれていないので、普段の食事のなかにこれらの食品を意識して取り入れていきましょう。しかし、理想的な血中濃度である60ng/ml(25OHビタミンD血中濃度)レンジに到達するためのおよその必要量、100µg(4000IU)を摂取するためには、紅鮭やマイワシを300g。イクラなら100gも必要です。キノコ類で含有量が筆頭の茹でキクラゲでさえも、1日あたり約1kgを食べなくてはなりません。これもなかなかハードルが高いです。
そのため、ビタミンDはサプリメントからの確実な摂取、というのが世界のトレンドになっているのかもしれませんね、サプリメントだけに頼るのはよくありませんが、上手に利用すると良いかもしれませんね。このコロナ禍で、感染予防・重症化予防のために、規則正しい食生活、適度な運動と日光浴で免疫力アップを目指してみてはいかがでしょう